問題
“情報システム・モデル取引・契約書”によれば,要件定義工程を実施する際に,ユーザ企業がベンダと締結する契約の形態について適切なものはどれか。
- 構築するシステムがどのような機能となるか明確になっていないので準委任契約にした。
- 仕様の決定権はユーザ側ではなくベンダ側にあるので準委任契約にした。
- ベンダに委託する作業の成果物が具体的に想定できないので請負契約にした。
- ユーザ内のステークホルダとの調整を行う責任が曖昧にならないように請負契約にした。
答え
構築するシステムがどのような機能となるか明確になっていないので準委任契約にした。
解説
情報システム・モデル取引・契約書
「情報システムの信頼性向上のための取引慣行・契約に関する研究会」
~情報システム・モデル取引・契約書~
上記の例では、「システム化の方向性~システム化計画」「要件定義」「外部設計」「内部設計 以降」を別々の契約として締結する場合を示している。契約のタイミングは、情報システムの 性質・規模によって任意に設定することができるが、いわゆる「超上流」工程では、例えば、 BPR(business process re-engineering)による組織やビジネスモデルを再構築しながら、 IT化すべき業務範囲・内容を検討している場合など、最終的な成果物の完成状態が明確に定 義しづらい場合が多く、ユーザ・ベンダ間の役割分担の合意が取りづらい。そのような場合、 契約作業の手間は増大するが、多段階契約を採用することで、開発途中で発生する仕様変更の 影響を極力抑えることができる。また、工程ごとに異なるベンダに分割発注することも可能と なる。
モデル取引・契約書<第一版>