\(y = x^2\)上の点 \(P = (x_0, y_0) \) 、\(Q= (x_1, y_1) \) を考えます。
この時、2点 \(PQ\) を通る傾きは以下のようになります。
$$ \frac {y_1 – y_0} {x_1-x_0} $$
\(x_1\) を\(x_0\) に限りなく近づけることで、\(P\) での接点の傾き\(m\)になります。
$$ m = \displaystyle \lim_{ x_1 \to x_0 } \frac {y_1 – y_0} {x_1-x_0} $$
\( \displaystyle \lim_{ x_1 \to x_0 } \)は、“the limit, as \(x_1\) approaches \(x_0\), of . . . .” と読みます。
このままでは、以下のようになり計算できません。
$$ m = \frac {y_1 – y_0} {x_1-x_0} = \frac {0} {0} $$
\(y_0 = x_0^2\) と \(y_1 = x_1^2\) を代入します。
$$ \begin{align} \frac {y_1 – y_0} {x_1-x_0} &= \frac { x_1^2 – x_0^2 } {x_1-x_0} \\ &= \frac { (x_1 + x_0) (x_1 – x_0) } {x_1-x_0} \\ &= x_1 + x_0 \end {align} $$
よって、 \(P\) での接点の傾き\(m\) は以下のように求まります。
$$ \begin{align} m& = \displaystyle \lim_{ x_1 \to x_0 } (x_1 + x_0) \\ &= 2 x_0\end {align} $$
デルタ表記
\(x_0\) から \(x_1\) への増分を\( \Delta x \) とします。
$$ x_1 = x_0 + \Delta x $$
$$ \Delta x = x_1 – x_0 $$
\( \frac {y_1 – y_0} {x_1-x_0} \) は以下のように計算できます。
$$ \begin{align} \frac {y_1 – y_0} {x_1-x_0} &= \frac { x_1^2 – x_0^2 } {x_1-x_0} \\ &= \frac { {(x_0 + \Delta x)}^2 – x_0^2 } { \Delta x } \\ &= \frac { \Delta x (2x_0 + \Delta x ) } { \Delta x } \\ &= 2x_0 + \Delta x \end{align} $$
よって、 \(P\) での接点の傾き\(m\) は以下のように求まります。
$$ \begin{align} m& = \displaystyle \lim_{ \Delta x \to 0 } ( 2x_0 + \Delta x ) \\ &= 2 x_0\end {align} $$
一般化
関数 \( y = f(x) \)で2点 \(P = (x_0, y_0) \) 、\(Q= (x_1, y_1) \) を考え、 \(x_0\) から \(x_1\) への増分を\( \Delta x \) とすると、 2点 \(PQ\) を通る傾きは以下のようになります。
$$ \frac {f(x_0 + \Delta x) – f(x_0)} {\Delta x} $$
\(P\) での接点の傾き\(m\) は以下のようになります。
$$ m = \displaystyle \lim_{ \Delta x \to 0} \frac {f(x_0 + \Delta x) – f(x_0)} {\Delta x} $$
この\(m\) は通常\(f’ (x_0)\)と表記され“f prime of \(x_0\)” と読まれます。
$$ f’ (x_0) = \displaystyle \lim_{ \Delta x \to 0} \frac {f(x_0 + \Delta x) – f(x_0)} {\Delta x} $$