高次導関数(高階導関数)

n次導関数(n階導関数)

「微分の微分の微分の…微分」を考える。

関数 f が区間 I で導関数 f′ をもち、それがさらに I で微分可能なとき、f′ の導関数を f の2階導関数英語版とよび f′′ で表す。より一般に、関数 f が区間 I で n 回繰り返して微分できるとき、f は I で n 階微分可能であるといい、n 回微分して得られる関数を n 階導関数といって f(n) で表す。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2次導関数(2階導関数)

$$ y=f(x):開区間Iで微分可能、その導関数f'(x)が再び微分可能 $$

であれば、導関数\(f'(x)\)の導関数を考えることができる。

$$ f”(x):= \frac{d}{dx} f'(x) = \lim_{h \to 0} \frac{f'(x+h) -f'(x)}{h} $$

n次導関数(n階導関数)

2次導関数と同様に、\(n\)次の導関数を考えることができる。

$$ f^{(n)} (x) := \frac {d^n}{dx^n}f(x) = \frac{d}{dx}f^{(n-1)}(x) $$

\(f^{(n)}(x)\)が存在すれば、\(f, f’, \ldots , f^{(n-1)}\)は連続であるといえる。

\(C^n\)級

\(n\)次導関数の有無によって関数を分類することができ、その分類を\(C^n\)級と表す。

数学において、関数滑らかさ(なめらかさ、: smoothness)は、その関数に対して微分可能性を考えることで測られる。より高い階数の導関数を持つ関数ほど滑らかさの度合いが強いと考えられる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

$$ 関数 f が C^n級 :\iff f^{(n)}が存在し連続 $$

$$ 関数 f が C^{\infty}級 :\iff 全ての n \in \mathbb{N} に対しf^{(n)}が存在 $$

例えば、\(x^n\)や\(\sin x\)は\(C^{\infty}\)級の関数である。

ライプニッツの公式

数学微分積分学において一般化されたライプニッツの法則 (generalized Leibniz rule), 一般のライプニッツの法則(いっぱんのライプニッツのほうそく、: general Leibniz rule[1]一般ライプニッツ則)あるいは単にライプニッツの法則は、積の法則(これもまたライプニッツの法則と呼ばれる)の一般化であり、f と g を n 回微分可能な関数とするとき、それらの積 fg の n 階微分が

$$ {\displaystyle (f\cdot g)^{(n)}=\sum _{k=0}^{n}{n \choose k}f^{(k)}g^{(n-k)}} $$

で与えられることを述べるものである。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

$$ f, g: 開区間 I において n 回微分可能 $$

$$ \implies 積 fg もn 回微分可能であり、$$

$$ \frac{d^n}{dx^n} (fg) = \sum_{r=0}^{n} \binom {n}{r} f^{(r)}(x) g^{(n-r)}(x) $$

証明

\(n\)についての帰納法で考える。

\(n=1\)の時、

$$ \frac{d}{dx}(fg) = f’g + fg’ $$

$$ \because 積の公式 $$

\(n\)の時成り立つと仮定すると、

$$ \frac{d^n}{dx^n} (fg) = \sum_{r=0}^{n} \binom {n}{r} f^{(r)} g^{(n-r)} $$

ここで、右辺の各項を見ると、それぞれさらに微分することができ、

$$ \frac{d}{dx}(f^{(r)} g^{(n-r)}) = f^{(r+1)}g^{(n-r)} + f^{(r)}g^{(n-r+1)} $$

である。

また、

$$ \begin{align} & \ \ \frac{d}{dx}\{ \binom {n}{r} f^{(r)} g^{(n-r)} \} \\ &= \binom {n}{r} \{ f^{(r+1)}g^{(n-r)} + f^{(r)}g^{(n-r+1)} \} \\ &= \binom{n}{r} f^{(r+1)}g^{(n-r)} + \binom{n}{r-1} f^{(r+1)}g^{(n-r)} \\ &= \{ \binom{n}{r} \binom{n}{r-1} \} f^{(r+1)}g^{(n-r)} \\ &= \binom{n+1}{r} f^{(r+1)}g^{(n-r)} \end{align} $$

よって、\(n+1\)の場合も成り立つ。


ライプニッツの公式を使い、\(x^3 e^x\)のn次導関数を求める。

$$ (x^3)^{(n)} = \begin{cases} x^3 & (n=0) \\ 3x^2 & (n=1) \\ 6x & (n=2) \\ 6 & (n=3) \\ 0 & (n \geq 4) \end{cases} $$

$$ \begin{align} (x^3 e^x)^{(n)} &= x^3e^x + \binom {n}{1} 3x^2e^x + \binom {n}{2} 6xe^x + \binom {n}{3} 6e^x \\ &= \{x^3 + 3nx^2+ 3n(n-1)x + n(n-1)(n-2) \} e^x\end{align} $$