先物契約と先渡し契約

先物契約とは、市場で取引されるために規格化された先渡し契約のことで、先物契約の売買を先物取引と呼びます。

先物取引(さきものとりひき、: Futures contract)とは、いわゆるデリバティブ(派生商品)の一つで、価格や数値が変動する各種有価証券商品指数等について、未来の売買についてある価格での取引を保証するものを言う。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

第5章 先物取引の説明 先渡し取引から先物取引へ

先物契約は、「将来のある時点において、ある物を合意した価格で売買するという契約」で、この意味では先渡し契約と同じです。

先物契約と先渡し契約の違いは、先物契約は市場で取引されるために規格化された契約であるという点になります。

契約の規格化

先物契約は、ある取引市場が、ある原資産を先物として扱うと決めることから始まります。

取引市場は、先物契約について、例えば以下のような共通の基準を定めます。

  • 原資産として認められるための要件
  • 引き渡しの量
  • 引き渡しの月
  • 引き渡しの場所

例えば、TOCOMの金の先物契約では、以下のような基準に基づき、先物契約が結ばれます。

取引要綱 【金(標準取引・ミニ取引)】 – 取引要綱

また、先物契約は市場で売買されているので反対売買を容易に行うことができ、つまり反対売買を行うことで契約の解除を容易に行うことができます。

これにより、先渡し契約と比較した場合、先物契約を使うことで、ある原資産のリスクマネジメントや投機が簡単に行うことができます。

基本的に先物価格は原資産の価格と同じように推移しますが、先物価格は標準化された「先渡し契約」による価格であることに留意する必要があります。

私がこれを書いている時、WTI原油先物の価格が負になるという珍しい現象が発生しました。

これは、WTIの公式の受渡場所がオクラホマ州カッシングという内陸の集油所であり、この受け渡し場所の原油貯蔵施設がいっぱいとなってしまったために発生しました。

このように先物価格と原資産の全体的な価格とでは、かなり大きな乖離が発生する可能性もあります。