R:実数全体の集合
x1,x2∈R に対し、
x=(x1x2)
を平面ベクトルという。
x1,x2を、xの成分という。
すべての平面ベクトルの集まりR2
R2:={(x1x2)|x1,x2∈R}
相等
x=(x1x2),y=(y1y2)∈R2に対し、
xとyが等しい:⟺x1=y1かつx2=y2
このとき、
x=y
と表す。
スカラー倍
スカラーとはベクトルの成分となるもの。
x=(x1x2)∈R2に対しては、c∈Rがスカラーである。
このとき、
(cx1cx2)
を、xのスカラー倍( c倍)とよび、
(cx1cx2)=cx
と表す。
特に、
(−1)x=–x
と表す。
和
x=(x1x2),y=(y1y2)∈R2に対し、xとyの和を、
x+y:=(x1+y1x2+y2)
とする。
特に、x+(−y)を、x–yと表す。
ゼロベクトル
(00)をゼロベクトルとよび、0で表す。
すべてのベクトルx=(x1x2)に対し、x–x=0が成立することを示す。
証明
x–x=x+(−x)∵ベクトルの和=x+(−1)(x)∵スカラー倍=(x1+(−1)x1x2+(−1)x2)∵ベクトルの和=(00)∵実数の性質=0
基本ベクトル
e1=(10),e2=(01)
を、基本ベクトルという。
線型結合
a1,⋯,ar∈R2
c1,⋯,cr∈R
のとき、ベクトル
c1a1+⋯+crar
を、a1,⋯,arの線型結合、または一次結合という。
任意の平面ベクトル x=(x1x2)∈R2は、基本ベクトル e1,e2の線型結合で表すことができる。
証明
x=(x1x2)=(x10)+(0x2)=x1(10)+x2(01)=x1e1+x2e2
よって、xは、e1,e2の線型結合で表すことができる。
任意の平面ベクトルx=(x1x2)∈R2は、f1=(−11),f2=(11)で表すことができることを示す。
f2–f1=(20)=2e1
∴e1=12(f2–f1)
f2+f1=(02)=2e2
∴e2=12(f2+f1)
x=(x1x2)=x1e1+x2e2=x112(f2–f1)+x212(f2+f1)=x2−x12f1+x2+x12f2
生成・張る
a1,⋯,an∈R2
任意の平面ベクトルx=(x1x2)∈R2が、a1,⋯,anの線型結合で表されるとき、
R2はa1,⋯,anで生成される(張られる)
a1,⋯,anは、R2を生成する(張る)
という。