GNUライセンス

問題

電機メーカのA社は,GPLが適用されたオープンソースソフトウェアの一部を改変した二次的著作物を搭載してテレビの新製品を開発した。この製品を販売するに当たり, A社が求められるGPLのルールに則した適切な対応はどれか。

  • 請求があればA社が修正した部分を含む全ての二次的著作物のソースコードを公開しなければならない。
  • 二次的著作物に静的にリンクしている,別のアプリケーションのソースコードは公開しなくてもよい。
  • 二次的著作物のソースコードを公開する際には,諸費用などの対価を請求してはならない。
  • 二次的著作物を入手した購入者が,その複製を再配布することを禁止しなければならない。

答え

請求があればA社が修正した部分を含む全ての二次的著作物のソースコードを公開しなければならない。

解説

GNU General Public License

GNU General Public License(GNU GPLもしくは単にGPLとも)とは、GNUプロジェクトのためにリチャード・ストールマンにより作成されたフリーソフトウェアライセンスである。

GPLは、プログラム(日本国著作権法ではプログラムの著作物)の複製物を所持している者に対し、概ね以下のことを許諾するライセンスである。


プログラムの実行[注釈 2]
プログラムの動作を調べ、それを改変すること(ソースコードへのアクセスは、その前提になる)
複製物の再頒布
プログラムを改良し、改良を公衆にリリースする権利(ソースコードへのアクセスは、その前提になる)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

請求があればA社が修正した部分を含む全ての二次的著作物のソースコードを公開しなければならない。

正しい。

二次的著作物に静的にリンクしている,別のアプリケーションのソースコードは公開しなくてもよい。

「静的リンクを含む「ソフトウェア全体」についてのソースコードを公開しなければならない」ので誤り。

二次的著作物のソースコードを公開する際には,諸費用などの対価を請求してはならない。

誤り。

GPLが要求することは、ソースコードを入手する機会を保証することである。たとえば、ソースコードが記録されたCD-ROMを実費を請求する形で郵送しても一向にかまわない。GPLv3では第4項第2段落で「『プログラム』の『伝達』行為に対する課金」と定めている。ただ、「ライセンス料、ロイヤルティその他の対価」を徴収することは、「さらなる権利制限」になるので注意が必要である(セクション”下流の受領者への自動的許諾“を参照)。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

二次的著作物を入手した購入者が,その複製を再配布することを禁止しなければならない。

第三者による再配布を禁止することはできないので誤り。