先物価格とは、将来のある時点で原資産を引き渡す際の価格のことです。
期限\(T\)の時点\(t\)での先物価格を\(K_T(t)\)と表すことにします。
適正な先物価格\(K_T(t)\)は、先渡し価格と同じように、時点\(t\)での先物契約の持つ価値が0になるように決まります。
先物は市場で取引されているので、適正な先物価格\(K_T(t)\)は市場の需要と供給により決まり、先物価格は、期限\(T\)での原資産のスポット価格の時点\(t\)での市場全体の期待値として考えることもできます。
$$ K_T(t) = E_T{S(t)} \tag{1}$$
\((1))\)にヘッジのリスクプレミアムを加えることで、先物価格は形成されていること考えることができます。
先渡し価格と先物価格の違い
先渡し価格、先物価格とも、適正な価格は、時点\(t\)での契約の持つ価値が0になるように決まりますが、その価格は異なります。
価格の透明性
先渡し価格はOTCで取引されるので価格の透明性は高くありませんが、先物価格は市場で取引されており価格の透明性はとても高くなります。
信用リスク
先渡し契約では手方の信用リスクが非常に重要になりますが、先物契約は信用リスクを低減する仕組みを市場が準備しています。
値洗い
先渡し契約は期限までキャッシュフローは発生しませんが、先物契約では、引き渡し時の価格を時価で日々洗い直すことで、日々キャッシュフローが生じます。